KMC陸上クラブ

府中市民陸上競技場を中心に東京都多摩地域で活動している小学生・中学生・高校生対象のジュニア陸上クラブ(陸上教室)です!

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夢を持つためには

夢を持つためには

夢についてはいつか書こうと思っていましたが、こんなに素晴らしいタイミングは他には無いと思うので、今回は夢について書きたいと思います。
前回、最近の子供は冷めていると言いましたが、学校の先生やコーチなどの指導者、そして親がもっと夢を持てるような教育をしてあげなければいけないと私は思います。
もっと広く考えるならば大人が社会全体が子供が夢を生み育めるような環境を作ってあげる必要があるのではないでしょうか。

確か金八先生が命の大切さについて語った時に
『あなたの夢は何ですか?』
『私の夢は大人になるまで生きることです』(池間哲郎著)
という本のタイトルを引用していましたが、これは池間氏がフィリピンのゴミ山で出会った少女との会話です。

ここまではいかなくても発展途上の国に住む子供たちの方が『医者』『学校の先生』など夢を明確に語れると思います。
では何故日本の子供たちは今こんなにも夢を持てないのでしょうか?
それは恵まれ過ぎているからではないかと私は思います。
恵まれた時代に育っている私が言うのもなんですが、子供に色々なものを過度に与えるというのは良いことではありません。
貧しく育てるということではなく、必要以上に与えることが、結局は夢を持てない子供にしているのではないかということです。

常にものが過度に与えられ満足している今の子供は現状の生活が出来ればそれで良いと思うのでしょう。
そこからは現状を打破したい!!という力強いエネルギーが生まれないのです。
コンプレックスの裏側には夢があると思います!
コンプレックスというのは時に物凄く大きなエネルギーを生み出すものです。
KMCの生徒を見ていても陸上を始めたときに足が遅い子の方が最初から速い子よりも確実に努力します。
それは満足していないことから生まれる力強いエネルギーなのです。

しかし今の日本の子供たちにこんなことを言っても無理です。
子供たちが悪いとかではなく、物や情報で溢れかえっているこんな環境で育った子供たちに言っても理解し難いということです。
私はそんな子供たちにいつも言っているのはとても単純です。
『好きなこと(陸上)を続けたいなら一生懸命に努力しろ!』

『あなたの夢はなんですか?』
と聞いた時に答えられない子供でも
『何をしている時が一番好きですか?』
と聞けばほとんどの子供が答えられるでしょう。

大人になっても好きなことを本格的に続けられる人は多くありません。
好きなことをずっと続けたいならば精一杯努力することです。

昨日、高橋尚子選手が東京国際女子マラソンで復活しましたが、高橋選手は誰よりも走ることが大好きで、その誰よりも好きな陸上を続けられることにとても喜びを感じています。
でも高橋選手はその好きな陸上を続けるために誰も真似の出来ないような努力もしているのです。
“好きなことを続けるために努力する”
これをあそこまで実践できる人はそんなにいないでしょう。
かつてマラソンは耐え忍ぶ日本人には適しているから強いし人気があると言われてきました。
悲壮感漂う姿は確かに感動を呼ぶものでしたね。
しかし高橋選手は違います。
笑顔でゴールして42kmを楽しいと言う。
あの笑顔は本当に楽しそうです。

高橋選手の人気というのはここからくるのだと思います。
好きな仕事に就き精一杯努力し、達成感を得て心の底から喜んでいる高橋選手のような人は今の日本にどれだけいるでしょうか?
おそらく少ないのではないかと思います。
そんな人たちに高橋選手はとても眩しく写るはずです。
高橋選手のように生きたいとみんな心のどこかで思っていて、自分はできないけどQちゃんがやってくれている、だから応援したい!となるのではないでしょうか。

正確には覚えていませんが、勝利者インタビューで高橋選手こんなことを言っていました。
『24時間という時間は全ての人に平等に与えられた時間です。もう二度と来ない時間を充実した一日にして下さい』
高橋選手だからこそ言える説得力のある言葉だと思います。
またこんなことも言っていました。
『夢を持ち続けて頑張れば、暗闇の道にも光が差してくることをみなさんに伝えたい』
これも高橋選手だから言える言葉ですね。
夢を持って生きている人は輝いています。
私は多くの子供たちに輝いてもらいたいと心から願っています。
物や知識や情報など大人が子供に何でも過度に与えるような過保護は止めましょう。
大人が与えているうちは子供は成長しません。
好きなことをやりたいと言う子の邪魔をしないだけで良いと思います。
本当に好きであれば自分の努力で何とかするでしょうし、こちらが手を貸したらせっかく好きなことでも大きな成長はしないでしょう。

ただし子供なので助けて欲しいと言われた時には大人が最小限手伝ってあげることも必要だと思います。
私たち大人が子供の夢を生み育むために必要なのはこんなことではないでしょうか。


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